数学オリンピックでは，初期の段階から，初等幾何・初等整数・代数と解析・ 組合せ論の 4 大分野からの出題が中心で，現在も初等幾何を G，初等整数を N， 代数と解析を A，組合せ論を C という表現で続いています．G, N, A の分野につ いてパーフェクト・マスターのシリーズにおいて過去問を集めて分類し解答を付 けました．本書は，これらの既刊書に倣って，組合せ論 (Combinatorics) の過去 問を分類し解答を付け，解説したものです．
組合せ論の問題は雑多で，定番の解決法がないといえます．順列・組合せの基 本事項の他には特別の知識も必要ではなく，問題ごとに持ち合わせの知識と数学 的センスを総動員して解答を導くことになります．問題文も長く，解答も長くな るのが最大の特徴と言えると思います．ただし，日本代表選手の組合せ論に関す る成績はかなり優秀で，これまで大きな得点源になっています． 近年この分野の問題はあまりにも多くて，選ぶのに苦労しましたが，日本の問 題を中心にしました．一応，初級・中級・上級と分けてみましたが，この分類は あくまで編著者の主観によるもので，厳密な基準はありません．問題を易しいと 感ずるか難しいと感ずるかは受験者の感性に負うところが大きいのも組合せ論の 問題の特徴と言えると思います．