本書は. 2011年に岩波書店から出版された『数学基礎論』の増補版である 今回の増補版に当たっては.先ず,旧版を校閲し.可能な限りで誤りを正し たさ に以下の諸点で増補を行った.先ず.第 3章に後書きとして節 3.8を 加えて不完全性定理の意義に触れた.さらに節 3.9として新たに R.Solovay による算 的完全性定理を説明したこの追記は結果の重要性もさることなが ら,広く応用されている様相論理を短くても紹介しておいたほうがよいと考え た こ に よ る ま た 第 5章では, A.Robinsonによるモデル完全性の初歩事 項をまとめるため新たに小節 5.2.2を設けた.さらに第 8章では.具体的もし くは組合せ論的な独立命題を紹介する小節 8.4.3を追加した.そして各章の演 習にはいくつか新しい問題を加えた. この増補版が数学甚礎論を学ぶ方々の役に立つことを願っている.